音楽を仕事にする!!音楽業界仕事Navi

「音楽を仕事にしたい人」のための音楽業界仕事ガイド。

音楽業界よくある疑問Q&A

音楽業界の現状  2008年7月

CDの売り上げが落ちていますが今後の音楽業界の動向はどうなりますか?

厳しい、の一言ですね。これは業界全体も諦め気味。ただCDの売り上げだけを考えればそうですが、これからは別の展開もあるかもしれません。また厳しいと捉えているのはメージャーレーベルであって、インディーの方はこれからもいっそうの発展も期待されます(そう考えないと、やってられない…)。いずれにせよ、新しい曲、新しいアーティストは絶対必要なわけで、どのように発信していくかをもっと、もっと考えなければならないでしょう。幸いネットを中心にメディアは広がっていますからね。

日本ではカセットテープをあまり見なくなりましたが世界的にもカセットテープは使われていないのですか?

日本でもほんのわずか(全体の3%程度。主にお年寄りが演歌を聴くため等に利用されているようです)生産されていますが、やはり見なくなりました。けれども世界的にはまだまだ現役です。日本のようにカセットがMDに取って代わられたというところは少ないのです。話は違いますが、日本のユーザーの変わり身の速さはすごいですね。アナログ盤→CD、ラジカセ→CDラジカセ、ウォークマン→MDウォークマン→iPod(デジタル携帯プレイヤー)、どれをとっても日本ほど急速に変わるところはないようです。そんな意味でも、カセットはまだまだ現役です、日本以外では。

音楽に携わる仕事はどのようなものがあるのですか?

詳しくは別立て記事をご覧いただくとして、大きく分けると次のようなものになるでしょう。《1》音楽を作り出す仕事(ディレクターやエンジニア。もちろんアーティスト本人)《2》ライブにかかわる仕事(PA、照明やイベンター、プロモーター)《3》音楽を送り出す仕事(宣伝、営業そしてCDショップ)それから《4》権利に関係する仕事、こんな具合になります。

イベント企画会社とプロモーター・イベンターとはどのように違うのですか?

一言で言うと「違いはありません」。なのですが、「イベント企画会社」というと、広い意味がありそうです。どんなイベントだろうがイベントと名のつくものを引き受けるのがイベント企画会社、彼らにとっては音楽も一つの材料です。それに対して「イベンター」というのは音楽にかかわるイベント(ライブやコンサートが中心です)を引き受けるところと考えられるでしょう。

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業界で働く人たち  2008年7月

音楽業界で働く方に共通点はありますか?

あまりないようですが… 「よくしゃべる」、「声がでかい」、これは共通点かもしれません。蛇足ながら「音楽の話はあまりしない」なんてのもあります。他社の方との付き合いは、仕事はともかくとして、大事にはしますね。同じクリエイティブな世界ですが、例えばゲーム業界などでは同業他社さんとの付き合いはしないそうです。そりゃそうですよね、お互い企業秘密をたくさん持ってますから。その点音楽業界はおおらかというか、大雑把というか、他者と付き合う場面がすごく多いと思います。

音楽業界で仕事をしていくにあたって一番求められるものは何ですか?

なんにでもチャレンジしてみる気持ちを持つことですかね。言われたことをこなすだけでなく、いわれないことにも首を突っ込んでみる好奇心を持つことです(もちろん、首の突っ込みすぎはよくありませんが)。一見自分とは関係ないようなことも、後々役に立つこともあります。それに何しろ、音楽業界では特に大切な、人脈を作ることもできますから。

音楽業界の仕事は難しいかと思いますが、業界からの離脱率も高いのですか?

仕事も待遇も厳しい世界ですが、意外にも業界を去る人は結構少ないようです。そんなに魅力があるんでしょうかね。音楽から完全に足を洗ってしまう人はごくわずかです。それに比べると転職(というよりも転社)は異常に多い。入った会社の定年を知らないなんていうのはごくフツーです。それだけでなく、会社ばかりか、職種を変えてしまうことも日常茶飯事です。あるレコード会社のディレクターがプロダクションでマネージャーをやっている、というのもよく聞く話です。
ただし、若い人の中には、下積みに耐えられないとか、思っていたほど楽しくないなど短期的判断で辞めていく人がわりといます。これは逆に言えば、本気でやる気のある若い人にはチャンスがあるということです。

音楽業界で働くことで音楽業界ならではの特典などありますか?

他のレコード会社のCDを(サンプル盤とかで)タダでもらえる、というのは昔の話。サンプル盤の製造がものすごく少なくなっていますから。ただCD-Rか何かで新しい音をいち早く聴けることはあるでしょう。それからいろんな人、いろんな趣味の人がいますから、今まで聴いたこともないようなアーティスト、ジャンルの音楽に接する機会は多いでしょう。

音楽業界で働いている方の平均睡眠時間はどれくらいですか?

寝てる人は寝てますよ。それから年がら年中「25時(こういういい方します)まで仕事」ということではなく、ある時期集中的に忙しくなるということです。そんな仕事が集中している時は、本当に少ないでしょうね。なかなか平均というのは難しいのですが、5~6時間ってところでしょう、ただし売れてるアーティストさんは別ですが。

音楽業界の仕事の中で人気がある職業は何ですか?

人それぞれでしょうね。「CDショップを回るのが好きだ」とか、「身近にライブがあればそれでハッピー」とかありますから。ただ、一般的に外部から見ると、レコード会社のディレクター、プロダクションのマネージャーといった仕事に人気があるようです。スタッフとして魅力が感じられるのは現場、そして(なるべく)アーティストの近くの仕事ということになります。そういう仕事は魅力があるでしょうが、現場といってもいろいろな種類がありますからね。反対に四六時中アーティストと接していなければならないマネージャーなどは「ウザイ」と思うこともあります。

音楽業界で成功するために必要なものは何ですか?

感性ってことになっちゃうんでしょうか、それもしなやかな。自分自身の「ここは絶対譲れない」ということを持っていることは大変重要ですが、それ以外の曲、アーティストを聴いてみる、また違う仕事の仕方を真似してみることも大事でしょう。矛盾しているようですが、自分の得意じゃないものに接することによって、自分の得意なものを強化することもできますから。

音楽業界ならではの風習などありますか??

午後8時でも「おはようございます」はありますね。逆さ言葉(ズーミー(水)とか)は、もう誰も使ってないですよ。たまにふざけて言うくらいですか。一般の方の方が使うくらいですよ。音楽業界でも略す言葉(「販売促進」を「販促」というような)はよく使います。なのですが「その言い方は失礼」というのもあります。(実例をここに書いちゃうと問題になりますので書きませんが… 先輩等から聞いてください。)先輩後輩は実年齢よりも経験年齢、ということもあります。

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就職しようとするに当たって必要なこと  2008年7月

プロデューサーになるためには、まず何から始めればいいのですか?

いろんな音楽を聴くこと、聴きまくることでしょうか。手当たり次第でいいと思います。ただ注意したいのは、1回聴いて「ハイ、次」ではなく、何回も聴いてほしいということ。同じ曲を何回も聴いていると、それまで聴こえなかったものも聴こえてきます。この「それまで聴こえなかったもの」が重要だったりします。それと同時に自分は「誰がなんと言っても、絶対これ!!」という曲、アーティストを持っている必要があるでしょう。

女性でも音楽業界で活躍できますか?

はっきり言ってどんどん増えてます。今までは、やはりどうしても「結婚→退社」ということもあったのですが、辞めなくても一向にかまわない会社も多いし、労働条件が厳しい(拘束時間が長い、力仕事が多い)ところにも女性の進出が目立ちます。労働環境という点でいうと、音楽業界はかなり時代の最先端です。リストラなんかもずいぶん前からありますから。でもまだまだ女性は少ないですね。今がチャンス!!

音楽業界に入るために年齢制限的なものはありますか?

「ない」と言いたいところですが、体力的にきつくなるでしょう。それから精神的な持久力という点で。「こうしたいのに、できない」というような我慢しなければならないことがよくあります。若ければ「これも勉強」と割り切れますが、ある程度年齢がいってくるとプライドもありますから、なかなか難しくなります。それに自信があるというのでしたら、30歳を超えていようが全く問題ありませんよ。

今まで機材や楽器を扱った経験がないのですが、音楽業界で仕事をやっていけますか?

ディレクター、エンジニアになりたいとしたら、致命的になるかもしれません。楽器も機材も安いから、今のうちに買ってちょっとでも勉強したら? 「現場についてから勉強する」では遅すぎるでしょう。それ以外の仕事では、経験は「あった方がいい」という程度です。というか、なまじ知っていてそれをベラベラしゃべったりすると、鬱陶しく思われることもあります。

音楽業界に入りたてでも給料だけで生活していけますか?

足りなければ安い部屋を借りることですな。昔と違って生きていけるだけの金はもらえるはずです。それに出て行く金は少ないものです。使うのはメシ代くらい。それも時々(ほんの時々と思ってくださいね)はご馳走してもらったりすることがあります。それに仕事に就いたばかりなら、(幸運なことに!?)遊んでいる時間はないでしょう。

音楽業界で働くことでどのようなことが身につきますか?

なんでしょう、音楽を聴き分ける耳、かな。

音楽業界へ転職しようと考えたとき前職によって有利になることはありますか?

対人関係がとても重要な業界です。そういう点では営業職をやられていた方は少々有利かな。でも、それ以外の職種でも全然関係ありません。

音楽はどんなジャンルも聞いていなければダメですか?

というか、色々なジャンルを聴きたくなるもんじゃありませんかね? 音楽の趣味が偏っていてもいいのは(本当は困りますが)アーティストであって、スタッフはすべて聴いていないと大変でしょう。ただし、業界に入ってから教えてもらえる機会はたくさんあります。

レコーディングの仕事に就きたいのですが、本当に缶詰め状態なのですか?

レコーディングの最中はそれに近いでしょう。でも1年中レコーディングしている人はいません。 労働時間が非常に不規則になることも多いので、自己健康管理をしっかりとすることが大切です。

プロデューサーになりたいのですが、やはり音楽のセンスは必要ですか?

「自分はこれだ!!」というもの。これが「音楽のセンス」にあたるのでしょうか。一方で知らないものをどんどん吸収しようとする意欲も必要です。そのためには、日ごろから新しいものに対するアンテナを張っておく必要があります。いろんなものを吸収した結果「(やっぱり)自分はこれだ!!」というものは強いですから。

作詞、作曲家に必要な能力はなんですか?

自分の好き嫌いとは別になんにでもトライする,吸収しようとする気持ちが大事でしょう。作詞家を目指すならいろんな本を読む、作曲家を目指すならいろんな音楽を聴く、ことが大事です。そしてそれをまねしてみる。パクリでかまいません(そのまま自分の作品にしようとしなければ…)。そうやって自分の幅を広げる努力を続けていくことです。

音楽業界の仕事ではどのジャンルの仕事でも相当の資格・経験は必要でしょうか?

「資格」は要らない職種の方が多いでしょう。ミョーな資格を持ったりしていると「ひけらかしている」なんて思われるここともありがち。これに対して「経験」は必要です。ただしどの程度までの経験かといえば、結構アバウトなところもあります。「どこそこのレコード会社で、だれそれを担当していたディレクター」まで行かなくても大丈夫、ということもあったりします。

音楽業界の休日は定期的にあるのでしょうか?

そりゃ、ありますよ(笑)。基本は土日が休み、年末年始、お盆(それと夏休み)もちゃんと休みが取れます。ただしその時期現場の仕事があったら、話は別です。「10月終わりに『夏休み』を取る」なんてことはあります。土日も現場担当なら、当然イベント等が多く入るでしょうから他の日に休むことになります。

大物アーティストとかかわれるレベルはどの程度ですか?

高いようで、低いようで、ですね。もしあなたがこうしたことを期待して音楽業界に入りたいなら「お止めなさい」と言いたいですね。深く大物アーティストと付き合えることもあるでしょうが、深すぎるのも禁物です。予想もつかない無理難題が、それも毎日毎日… なんてことが、非常に多いですからね。「適当に付き合う」ことはまあ、無理でしょう。

音楽の成績が悪くても大丈夫ですか?

どの程度のレベルでしょうか。歌も楽器も(ついでにクラシックの鑑賞も)まるで苦手という方で、どうしても音楽業界に入りたいという人はいるんでしょうか。よく言われることですが「学校の成績と、好き嫌い(向き不向き)は違う」ということはあります。「音楽の授業が嫌い」→「音楽の成績が悪い」だったら気にすることはないと思います。

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海外での仕事  2008年7月

海外の音楽業界で働くこともできますか?

音楽の仕事を続けていくうちに、発展的に海外での仕事も出てくるというのは、技術系(それもフリーでやっている)でないとなかなかないでしょう。もしあなたが海外の音楽業界で働きたいとするなら、初めから海外を目指すべきです。というのは日本での経験が生きないことが多いからです。

音楽業界には英語能力は必要ですか?

これも「ある程度は…」ですね。音楽とは直接関係なくても、外国人と接する機会はあります。そんな時は楽しくコミュニケーションをしたいですよね!? 仕事上で必要かといえば、限られた職種以外必要ではないでしょう。もちろん洋楽アーティスト招聘がメインのイベンター等では不可欠ですが。

日本で経験を積めば海外に進出というのも夢じゃないのでしょうか?

日本での経験が海外で通用することはないと思った方がいいでしょう。仕事のスタイル、権利の考え方等々違うことばかりです。そういう違いに戸惑うことなく、また積極的に勉強して吸収しようという気持ちがあるなら、「目指せ1,000万枚!!」です。

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