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◆ミキサーFの、とある風景
[1997/09/03]

 ルルルー ルルルー、ミキサーのFは眠そうに細い目を開けた。ベッドを出た。

 仕事の電話だった。受話器を置いた後、Fは思った。「○○○○○か、最近聞いてないなぁ」。Fは、メンバーのZ氏やM氏の作曲家としての活躍は知っていたが、最近の○○○○○の音楽は知らなかった。しかし、高校生の頃よく聞いていた、あの○○○○○と仕事が出来るということで、嬉しさは感じていた。Fはすぐレコード店に走った。メンバーの名前を調べただけで店を出た。Fはケチであった。

 レコーディングが始まった。最初、そのスローペースな進行に戸惑っていたFも、キーボードT氏の根気強いプレイに根性とパワーを感じ、しだいにのめり込んでいった。

 平成*年*月*日、スタジオではコーラス録音が行なわれている。腹踊りをしながらもちゃんと歌っているM氏、それを見つつ笑いながらもちゃんと歌っているT氏、それを無視しもくもくとリズムを取りながらちゃんと歌っているH氏、頭をかかえそれをまとめているZ氏、そこでは個性的な4人が一体となった美しい風景が繰り広げられていた。

 こうして、自然でホカホカの焼き立て4食パンのような味わいのアルバムが完成した。

 Fは、この1ヶ月間の充実した生活に満足感を覚え「これからもどんどん仕事が来ますように」と神に祈った。

 ベッドに入った。そして眠そうに細い目を閉じた。
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