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◆プロの場合のMixの簡単な流れと考え方(私論)
-- Mixにおいてのプロデューサーやバンドとのやり取り --
[1999/03/09]

 レコーディング時の流れや会話の中で、あるいはMix前に直接要望等を聞いてつかんだサウンドを頭に入れた上で、まず自分なりのMiXを作り上げます。(Mixの途中でいろんな人の意見を聞きながらやると収拾がつかなくなります。自分の中でのMixを完成させておいたほうが後の作業をやりやすい。)

 出来上がったMixを、クライアント(プロデューサーやアーティスト、アレンャー、etc.)に聴いてもらいます。(まず最初にプロデューサーだけに聴いてもらう場合もあります。)みんなの意見を聞きながらMixの細かい調整をして完成させていきます。当然、いろんな人からいろいろと違う意見が出てくることも多くあります。それらの意見をまとめるのは、プロデューサーまたはディレクター、あるいはバンドのリーダーであったりします。

 この時、自分(エンジニア)の感覚と、要求されるものとの間にギャップが生じることも、多々あります。が、基本的にエンジニアというのは、クライアントの望んでいるものを作り上げて、初めてお金をもらえる(自分で好きなように作って、これ買って下さい、というのではない)わけですから、クライアントの要求に応えることを第一に考えます。

 クライアントの要求通り作っても、10人のエンジニアがやれば10種類の違ったMix(良いものもあれば悪いものもある)が出来上がります。相手が満足すればいいやという、投げやりな気持ちではなく、相手も満足し自分でも納得できるMixを作ろうという気持ちが大切です。(それを実現するには、もちろん技術も必要です。)

 はじめのうちは、涙が出てきそうになるくらい悲しくなったり、暴れてしまいたいくらい怒りたくなったりすることもあるかもしれませんが、これが出来てこそ始めてプロといえるわけです。

 これは、あるテレビ番組でやってたことですが、ある人物の上半身が写った、まったく同じ(に見える)写真、AとBを、いろんな人に見せて、「どちらの写真に魅力を感じますか」と聞いたところ、多くの人が Bの写真を選んだのです。選んだ人にその理由を聞くと、具体的にどこが違うか分からないが、Bの方がなんとなく輝いて見えるとか、生き生きして見えるとか答えるだけなのです。

 では、実際この2枚のまったく同じに見える写真は、どこが違うのか。実は、写っている人物の「ひとみ(瞳)」の大きさを Bの方だけ、定規を使わないと分からないくらい少しだけ大きくしてあったのです。

 こういうことは、音楽のMiXにも当てはまるかもしれません。まったく同じバランスや音色に聞こえても、何かを感じさせるMixと、そうでないMix。それでは、そのポイントは何かというと、これは...個人個人で見つけていって下さい。(^^)

 良いMixというのは、聴いて良い曲だなーとか良い歌だなーとかが感じられるMixなのです。ようするに、最終的には、感じるか感じないか、そこなのです。(もっとも、感じる感じないというのも人それぞれですから、音楽など感性に訴えるものは...やっぱり難しい)

 歌が大きいとか小さいとか、ドラムが大きいとか小さいとか、エコーが多いとか少ないとか、誰が聴いても分かるような、いわゆるサウンドの方向性は、クライアントが決めることであって、エンジニアはその方向性の中でいかに多くの人が感じるものを作り上げるかということが仕事というか腕の見せ所だと思います。(もちろん、方向性もエンジニアに任される場合もありますが。)

 などと言ってきましたが、やはり人間ですから、どうしても感性が合わないとか、性格的に合わないとかいうクライアントが出てくる時があるかもしれません。

 その時は、(次回から)そのクライアントの仕事は断るしかないでしょう。もっともそういう場合は、相手もそう感じていることが多いですから2度とそこからの仕事の依頼はないと思いますが(^^;

 以上、永遠の問題。
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